お客さまからよく聞く言葉です。
「目標作って掲げてあるんだけど現場が動かない!」
経営と現場の隔たり、多くの企業様で問題として認識されていることでもあります。
私はその問題に正面から立ち向かい、チームビルディングという手段を使ってこの問題を解決することを提供しています。(それまでに失敗もありましたが、それはまた別の機会に(笑))
業務改善チームビルダーと名乗り始めたのは、この手法が非常に有効であると確信しているからです。今回は、具体的に活動している、その内容・コンセプトについてお伝えしていきます。
現場が自律的に業務改善を進めていくために重要なことは、たった1つ!
”現場の腹落ち”
これです。それではそれを得るためのチームビルディングの方法を紹介していきます。
参考:経営者の志
STEP1 現場のプロセスを知る
【業務プロセス】
経営層であればピンとくる人は多いと思います。現場の人でも、「全く分からない」という人はいないでしょう。この業務プロセス、実は、現場の担当者によって、見えている範囲が全然違います。
例えば製造業。
生産管理の担当であれば、
・受注情報を受け取って、
・生産計画を立案し、
・作業実績が返ってきて
・それを入力して出荷する。製造の担当であれば、
・生産計画を受けて
・具体的な作業手配をし
・材料を取りに行き
・加工・成形して
・検査し、出荷口に届ける。営業の担当であれば、
・お客さまと仕様を打ち合わせて
・受注の確定を頂き、
・確定情報を生産管理や設計・開発に渡す。
おおよそこんな感じになるでしょう。
「当たり前だ!」
というツッコミが来そうですが、ここで大事なことは、
『プロセスはつながっている!』
ということです。
現場の担当者それぞれが改善活動を進めても良いのですが、それではいわゆる「部分最適」になってしまいがちです。
各担当者がプロセス全体を見渡し、つながっていることを理解し、自分たちの仕事を知ること。
これがまず最初の一歩となります。
STEP2 現場の問題を知る
問題は現場で起きています!
何かのドラマの一節ではないですが、これ、本当です(笑)
現場の問題をとにかく洗い出す
まずは、現場でどんな問題が起こっているのかを洗い出し、それを担当者間で共有・共感することが大事です。
この洗い出しの作業を始めるとこんなセリフが聞かれてきます。
「そんなことあるの?」
「あ~あるある。」
「そういえばこの前こんなことがあった」
それで良いです。どんどん洗い出していきましょう!
まずは、質より【量】です!
中途半端にきれいな言葉にまとめようとしてはいけません。
まとめようとすると「生の声」からは遠ざかりますし、集約しようとして肝心の【量】が減ってしまいます。とにかく洗い出しましょう!
現場の問題構造を理解する
さて、目の前に広がった問題を整理していきます。
挙げられた問題は、実は以下の3つの要素に分解できます。
● 問題
● 原因
● 問題が引き起こす問題
言葉にすると単純です。
しかし、、、
これを体系的に整理していくことは非常に難しいです。
ですので、必ずしもきれいにまとめようとしなくて結構です。ここにあまり大きな労力を割いていても仕方ありません。とりあえず3階層の形になっていればOK!くらいの感覚でまとめてみましょう。
STEP3 現場と経営の課題を知る
さて、問題洗い出しの段階で、【問題が引き起こす問題】という項目がありました。挙げられた現場の問題点に対して、より組織的な、経営に近い問題に迫ってきていると思います。この場合、おおよそ3つ(4つ)の要素に集約されます。
◆Q (Quality)
◆C (Cost)
◆D (Delivery)
(◆S (Safety))
言わずと知れたフレームです。ここでこのフレームを活用します。ここまでくると、場合によってこんなことに気が付きます。
居室の壁に貼ってあるじゃないか!!
そうです。経営目標として、
・納期達成
・コスト削減
・クレームゼロ
のようなことが掲げられている企業様もいらっしゃいますよね?(笑)
そうです!
経営者が目標として掲げられていることは、現場を見ずに言っていることではなく、ちゃんと現場に通じているんです!ここまでくれば、現場で解決しないといけない課題は明確になってくるでしょう。
なぜなら、問題の構造が分解され、階層化されていますので、その階層の通りに優先順位をつけながらタスクに取り組んでいくことができるはずです。
さいごに
ここまででお伝えしたかったことをまとめます。
現場が自主的に業務改善に取り組んでいくこと、そのためには“現場の腹落ち”が必要ということでした。
そして、その“現場の腹落ち”を得るためには、
①現場業務のプロセスを理解し、
②現場で起こっている問題を直視し、それを整理し、
③経営目標に繋がっていることに気が付く
このプロセスを経ることが重要です。
現場がそこに気が付くと、目の前のやらなければならない作業にモチベーションが持て、取り組みの効率が劇的に上がるのです。
私は、そんな現場のチーム活動をサポートし、結果として、業務改善を自律的に進めるチームの形成と課題形成できる人財の育成に貢献していきたいと考えています!