経済産業省からも言われています、DX(デジタルトランスフォーメーション)。
企業での取り組み推進が叫ばれていますが、一口に“DX”と言っても、そこには2通りの方針があると思っています。
◆攻めのDX
◆守りのDX
です。
実際の取り組みでは、それらを明確に示して現場のベクトルを合わせていかなくてはなりません。
今回は、それぞれが一体どんなDXなのかを、製造業で例えて説明していきます。
動画でもDXに関する情報を解説していますので、ぜひご確認ください。
製造業の攻めるDX!
まずは攻めです。
簡単に身近な言葉で言うならば
・新事業の開発
・新技術の開発
・新生産システムの開発
というと良いかなと思っています。
私がこれまで関わってきた事例で紹介していきましょう。
※事例については機密情報も含むため限定的な記載となっています。詳細が気になる方は、個別にこちらからお問い合わせください。
IoTサービス事業の開発
これは、船舶の機関や付帯設備をIoTシステムによって監視し、危険な兆候を検知したり、メンテナンス計画に生かすなどのサービス開発を行ってる事例です。
船のメンテナンスを受託している企業が、デジタル技術を活用して新たなサービス事業を開発した事例ですね。
技術共有システムの開発
こちらは、得意先からの技術的問い合わせに容易に対応するため、クラウドに技術データを格納し、得意先からダウンロードすることを可能にするとともに、ダウンロードされた情報が何だったのかを自社に通知するシステムです。
システムとしては簡単な仕組みではありますが、受託生産の事業ではなく、受託した技術の標準化をも価値と変えたトランスフォーメーションと言えると思います。
AI生産工程監視システムの開発
とある生産工程の監視を人が行っていましたが、その人は電流値と画像で“作業完了”の判断をしていました。
この人が行っている作業をAIに置き換え、省人化した生産システムを構築しました。
生産プロセスを人に依存しないプロセスへと変革した事例として、トランスフォーメーションと言っても差し支えないかと思います。
製造業の守りのDX!
さぁ、一方の守りのDXについて見ていきます。
こちらは、
・業務改善
・ITツール活用での作業自動化
・デジタル活用による業務効率化
という表現が適しているかと思います。
こちらも事例でご紹介していきます。
請求書作成作業のシステム化
作業実績を元に請求書を作成する業務がありましたが、作業実績入力では海外からの技能実習生がExcelに入力する際、文字の全角半角ルールが徹底されないことや、作業番号を打ち間違いする等の問題があり、集計作業に多大な時間を要していました。
このプロセスを、データを全てデジタルデータとして扱うことで、有力から集計までを簡単に実施するプロセスへと変革しました。
その効果として、一人分の工数を捻出することができ、別の作業に割り振ることができるようになったという事例です。
改善提案のデジタル化による評価制度
改善提案を実施しているものの、評価が適正に行われずに従業員のモチベーション下がり、改善提案がされなくなってきてしまいました。
そこで、提案した改善案と実施した内容、およびその評価をデジタルデータとして記録に残し、評価を客観的に見える化しました。
これにより、公平な評価制度が運用され、5Sの徹底から改善の実施までが日常的に行われる文化づくりをすることができた事例です。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
攻めのDXと守りのDX、違いと方向性が分かりましたでしょうか?
肝心なことは、DXに取り組むということ以前に、どんな方向性で、どんな姿を目指して取り組むというビジョンを決め、それを従業員にはっきり示す必要があるということです。
「DXだ!」
ではなく、
「今はまず守りのDXとしてこれをやる!」
「よし!攻めのDXとしてこんなことやる!」
ということをはっきり示し、従業員の士気を高めて取り組みを行ってほしいと思います。
その際、中小企業の方がDX推進は向いていると思っています。
その理由を下記の動画で説明していますので、合わせてごらんください。
また、自社にとってのDXの方針や手法のお悩みの方は、下記の問い合わせフォームから遠慮なくご相談ください!