コロナ禍の研修のオンライン化は人材育成のチャンス!

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コロナ禍の研修のオンライン化は人材育成のチャンス!

テレワーク

2020年8月現在、新型コロナウイルス感染症の第二波とも言える感染拡大が広がっており、各業界に大きなダメージを与え続けています。

私にも関連が深い研修事業においても、会場に集合して研修を実施することが困難になっています。

ところが、研修のオンライン化を進めていくにあたって、むしろこれは研修を受ける人にとっては大きなチャンスなのではないかと思い至ったわけです!

今回は、研修のオフライン、オンラインを比較して、オンライン化がなぜ研修を受ける人や企業にとってチャンスなのかを紹介していきます。

オフライン研修の弱点

怒られる

従来は、研修と言えば対面で行い、その方が学習効果が高いと考えられてきました。

私自身も、対面の良さをフルに生かして、グループワークなどを行いながら、効果の高い研修を提供してきたつもりでした。

ところが、オンライン研修へと切り替えていく中で、オフライン研修には一つ大きな弱点があることに気が付いたのです。

弱点①:詰め込み型

まずは最も大きな弱点、

詰め込み型

であること。

研修は、会場に集合するため、時として出張などの大掛かりな移動を伴います。

企業としても、受講者に何度も移動させる効率の悪さを考慮し、まとまった期間(数日間)のスケジュール設定をすることがほとんどです。

この要望に応えるため、各研修期間や講師は、その日程の間にこれでもかと学習要素を詰め込み、「密度の濃い研修」を謳って研修を行います。

ところがこれ、学習の効率としては非常に低いです。

研修を受けたことのある人であれば分かりますが、そんなに数日間に詰め込まれても、研修が終わってどう生かしてよいかも分からないし、その後学んだことを使うこともないために知識として活用できるレベルにまで定着しないんです。

弱点②:研修期間で完結する設計

企業が行う研修では、研修直後にアンケートやレポートなどを書かせていたりしませんか?

これは、良かれと思ってやっているかもしれませんが、逆効果だったりする側面もあります。

なぜなら、研修自体がそこで完結してしまう設計になってしまっているからです。

研修期間+ちょっと(レポートを書く時間)の期間で、学習が完結してしまうんですね。

確かに、知識として学ぶことはできるでしょう。

ところが、先ほども述べたように、学んだ知識を実際の業務などで活用することが少なく、定着しないんですね。

しかも、そのレポートは、研修そのものの評価にも使われたりします。

研修そのものの評価をしてもダメですよね。

受講者が何を学び、何にその知識を活用し、どんな成果をもたらすか

ここにフォーカスするべきなんです。

オンラインの研修のメリット

では、反対に、オンライン研修のメリットについて上げていきましょう。

メリット①:カリキュラムを分割できる

出張などが伴わないオンライン研修であれば、移動の効率より日常業務への支障を優先的に考えることができます。

数日間を研修で拘束するのではなく、週1回、2週に1回など、間隔を空けながら日常業務への支障を最小限にしたスケジューリングが可能です。

これは講師側にも共通するメリットと言えますね。

例えば、5日間研修となるとけっこうな拘束がありますので、日常のその他の業務の調整など負担が大きいです。

この点は大きなメリットと言えるでしょう。

メリット②:時間をかけられる

カリキュラムを分割することによって、オフライン研修とは対照的に、詰込み型ではなく、じっくりと研修を行うことができます。

1回(1日)当たりの学習要素を絞り込み、確実にそれを持ち帰ってもらう。

これを繰り返すことができるので、受講者の学びの質が大きく高まります

“時間をかける”ということは、人財育成においては最も大事なことであると考えています。

それはみんなが認識していることで、どんな人に聞いても、異口同音に「人財育成には時間がかかる」という認識を持っているはずです。

これまでの詰込み型短期間研修とは矛盾していたことが分かると思います。

しかも、1日研修が終わった後、次の研修までの間に、受講者同士で少しでもコミュニティ型の勉強会を実施していただくことで、学んだことの復習や、実務での活用場面に関するディスカッションを行うことができ、活用できる知識として身に付けるための時間が確保できます。

実は、時間がかかる人材育成にオンライン研修は非常に向いているのです。

メリット③:成果に繋がる

企業が研修を受けさせる最大の目的は、人財育成ではなく、その先にある企業の成長のための成果です。

従来のオフラインの研修では、数日間で詰込み型の研修を行って、

「ハイ!成果を出してください!」

っていうムリゲーな状態でした(笑)

オンラインで分割してスケジュールを組むことで、間の時間を活用しながら知識の定着とともに、知識を活用した実業務の課題解決に取り組ませることで、企業の課題解決にも一役買ってくれます。

研修のレポートもその長期間に数回分けて書いていただくことで、研修の評価ではなく、研修によって得られた成果へと注目を向けることができるのです。

つまり、研修を単発の人財育成の場ではなく、比較的長期的な企業の課題解決の場としても活用することが可能になったと言えます。

おわりに

今回紹介したとおり、オンラインの研修には最も大切な“成果”へと繋がる使い方ができます。

これまで、例えば「5日間研修」とかを実施していた企業であれば、1日×6回の「3ヶ月研修」として、取り組みのテーマを与えて参加させた方が確実に成果が期待できます。

対面でできないからとオンライン研修を敬遠するのではなく、企業の課題解決のためにオンライン研修を活用してみてはいかがでしょうか?

著者

大原 健佑

出身:長野県長野市 最終学歴:東北大学 工学部 金属工学科 卒
保有資格:中小企業診断士・QMS審査員補/2015 (JRCA登録番号:A22594)(ISO9001審査員資格) ・QC(品質管理)検定1級 ・フォークリフト ・床上操作式クレーン ・玉掛け

ものづくり企業の生産性向上と人財育成を促進する専門家。
「現場が自ら動く!」「現場に任せる!」「業務改善を圧倒的に加速させる!」「技術開発を確実に進める!」をベースに、各ものづくり企業の業務改善プロジェクトに参画し、プロデュースを行っている。