管理職なりたての人はここから!~マネージャーがまずやるべき4つの役割~

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管理職なりたての人はここから!~マネージャーがまずやるべき4つの役割~

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プレーヤーとのギャップに苦しむマネージャーや、いきなりマネージャーになったはいいけど何をしたらいいの?というお客様である若手マネージャーの声を聞くことがあります。

多くの企業では、プレーヤーの中からマネージャーへ昇進していくわけですが、プレーヤーとマネージャーでは求められる役割が変わってきます。

その認識に慣れるまで時間がかかってしまい、チームの成果に繋がらない!

なんてなってしまってはもったいないですよね。

今回は、そんななり立てマネージャーや管理職の人と同時に、マネージャーを任命したさらに上司の方にも読んでいただけるように、マネージャーがまずやるべきことを4つの観点で紹介していきます。

ぜひ、ご参考になさってください!

マネージャーがまずやるべき4つの役割

マネージャーの役割は、抽象的なものや具体的なものまでいろいろな表現がされますが、今回は、比較的具体的に紹介していきましょう。

役割①:上位ビジョンやポリシーを理解

ビジョン

なり立てのマネージャー限らず、この役割をすっ飛ばしてしまう人が残念ながら多いんです。会社や組織の向かう方向性をきちんと理解することは、まず何より優先しなければなりません。

部長であれば本部長や社長が何を目指しているのか、そのためにどんなことを大切にしてどんなやり方でやりたいと考えているのか、課長であれば部長や本部長がどんな組織にしたいのか、そのために自分の課はどうあってほしいと考えているのか。

まずは、それらを理解するためにも、例えば、「部長のビジョン」とか「ポリシー」とかの項目を付けて書いてみましょう。

そうすることで、頭の中で考えていることを客観的に文字としてみることができ、きちんと認識をすることができます。

まとめると、

【上司の「ビジョン」と「ポリシー」を書く】

ということですね。

役割②:チームのビジョンやポリシーを示す

示す

さて、上位のビジョンやポリシーを理解したら、次にやるべきは、自らが責任を持つチームのビジョンとポリシーを作って担当者に示さなければなりません。なぜなら、それが担当者の拠り所になるからです。

いわゆる中間管理職の腕の見せ所でもあります。

上位のビジョンやポリシーに対して、ズレが無いように担当者に伝えなければなりません。

ここにズレがあると、担当者は、

「どっちに向かってるんだ?」
「本部長はこう言ってるじゃないか!」

というような不安や不満につながり、それは担当者のモチベーションに大きく影響します。

きちんと言葉を選び、正しく伝えることを念頭に、文字として表現することを心がけてください。

口頭だけでは、やはり言葉の揺らぎがあったりするため、受け取る側に迷いを生じさせてしまいますので、【目に見える形で表現】するようにしましょう。

役割③:「場」を設ける

場

ここでいう「場」というのは、主に“コミュニケーションの場”と捉えていただいて良いです。

例えば、
・担当者同士がプロジェクトの内容に関して議論できる場
・上司と担当者が報告や相談をする場
・メンバー全員でアイディア出しをする場
・ときにはガス抜きをする場

など、担当者がモチベーションを高く保ちつつ、現場を活発にさせる場を作ることがマネージャーの仕事です。言い換えれば、担当者それぞれに能力を発揮してもらって成果を上げることがマネージャーの仕事ということです。

自らの作業を行うこと以上に、担当者のための「場作り」を強く意識しましょう。

これは、担当者のときと比較すると、視点が逆になるために最も考え方が異なる要素と言えるかもしれません。この切り替えがうまくできるかできないかが、マネージャーとしてのロケットスタートに効いてきますね!

役割④:ニュースレター

お知らせ

さて、マネージャーや管理職は、必然的に情報が多くなるポジションでもあります。
(そうでなければ困ります。。。)

その情報とは大きく分けて、
・社内情報(他部門情報)
・社内情報(自部門情報)
・社外情報

に分けられます。

それらの情報を網羅的に把握し、あふれる情報を整理して正しく伝えていく必要があるんです。

例えばとある担当者が、
「営業部のAさんが、X社からの受注が見込めそうだと言っていたので、さっそく準備に入ります!」

と言っていたとしましょう。

その話は本当かもしれませんし、Aさんの見込み違いによる先走りかもしれません。

あるいは、
「業界の情勢を受けて、取引先が製品の仕様変更を検討している」

という記事が経済誌に掲載されていた場合、その情報を担当者に正確に把握させて、仕様変更による影響の調査・分析を進めなければいけないかもしれません。

特に社外の情報については、担当者とは比較にならないほど積極的に取りに行く必要があります。

・インターネットで調べる
・新聞を読む
・社外セミナーに参加する

などして、積極的に情報を取りに行きましょう。

そして、それらの情報を自部門のミッションやポリシーに照らし合わせながら、定期的に情報発信しましょう。

【週1のニュースメール】なんかでも良いですね!

そうすることで、担当者が様々な飛び交う情報に振り回されることなく、チームの向かう方向を合わせていくことができるのです。

おわりに~マネージャーの役割とは~

ここまでの4つの役割には、マネージャーとして現場の作業を率先して行う内容は含まれていません。これは私の持論ですが、技術や作業効率が優れていたとしても、現場の作業を積極的に行うことはおススメしていません。

私が勧めるのは、そんな優れた技術や作業効率について、「自分じゃなくてもできるようにすること」です。

重要なことなので改めて言いますが、担当者に求めらえる役割と、マネージャー・管理職に求められる役割は全然違います。

名プレーヤー、名監督にあらず

ではありませんが、マネージャーはプレーヤーではないのです。

中にはプレイングマネージャーのようなポジションの人もいるのでしょうが、そういった人は、明確にプレーヤーとしての自分とマネージャーとしての自分を意識的に分けることが重要です。

繰り返しますが、『マネージャーの仕事は、チームメンバーの能力を最大限に発揮してもらって成果を出してもらうこと』です。

マネージャーになりたての人はこの点を意識し、また、マネージャーを新たに任命した方も、そういったことを新任マネージャーに求めると、強くしなやかな組織になっていくでしょう!

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著者

大原 健佑

出身:長野県長野市 最終学歴:東北大学 工学部 金属工学科 卒
保有資格:中小企業診断士・QMS審査員補/2015 (JRCA登録番号:A22594)(ISO9001審査員資格) ・QC(品質管理)検定1級 ・フォークリフト ・床上操作式クレーン ・玉掛け

ものづくり企業の生産性向上と人財育成を促進する専門家。
「現場が自ら動く!」「現場に任せる!」「業務改善を圧倒的に加速させる!」「技術開発を確実に進める!」をベースに、各ものづくり企業の業務改善プロジェクトに参画し、プロデュースを行っている。