製造業の成果につながるコンサルティングをご紹介していきます。製造業でコンサルタントの活用を考えるとき、「本当に成果につながるのか?」と疑問に思ったり不安に感じたりすることもあると思います。この記事では、当社の経験から、製造業において成果につながりにくい一般的に言われる“コンサルティング”と、当社が実績をあげてきた成果につながるコンサルティングとの違いを紹介していきます。ぜひ、コンサルタントとのコミュニケーションの中で、依頼するかどうかを決めるヒントにしてください。
目次
製造業の成果につながらない一般的なコンサルティング
それではまず、製造業で成果につながらないコンサルの特徴から見ていきます。コンサルの活用に失敗したという方々のお話を伺う機会が良くありますが、おおよそ以下のような内容になっています。
- 数字だけを見られて説明されても良く分からない
- 問題だけ指摘されてもどうしていいか分からない
- 課題は分かったけどそれをやる時間もなく人もいない
そもそも、コンサルタントに相談する際の期待が“課題の解決”にある場合、コンサルタントが自社の事業に関する専門的な知識や解決手段に対するノウハウあるいはコネクションを持っていなければいけません。一方、コンサルタントにはこう考えている人がいます。
「課題解決は製造業の専門である御社の仕事で、問題や課題をクリアにすることがコンサルタントの仕事」と。
従って、コンサルタントは市場調査や分析、経営数字の分析を何十ページにもなり資料に見た目もきれいにまとめ、その資料を成果物として報酬をもらうと考えることになるのです。課題を解決したい、と思っていた依頼者にとっては、そんなに丁寧に時間をかけて大量の資料を作ってくれなくても良いのです。
まずは、コンサルティングの目的の認識を事前にすり合わせておくと、成果に対する認識のギャップを埋めることができます。成果につながらないコンサルティングは、コンサルタント自身が優秀かそうでないかも重要ですが、それ以上に、期待する成果の認識が食い違っていると言えます。
成果につながる当社のコンサル
それでは株式会社GEMBAコンサルティングが行っている『成果につながる製造業のコンサルティング』についてご紹介していきます。
どこまで何をやるかを明確に伝える
次に、当社がどのように成果につなげているのかを紹介します。上述した事前の認識合わせはもちろん行います。
「当社にコンサルティングをご依頼いただいた場合、~~~をします。」と事前の打ち合わせで明言させていただいています。
その際、製造業とはいえ専門分野でなければ、「問題を整理して課題を解決の優先順位をクリアにするだけにとどまります。」ということもお伝えします。できないことはできない、どこまでできるか、をはっきり伝えられるかどうかはコンサルティングの基本ですので、この記事をお読みの皆さまも、依頼するかしないかの判断基準として是非参考にしてください。
経営と現場をつなぐ
もう一つ、大きな特徴、というより強く意識していることがあります。それは、“経営と現場をつなぐ”ことです。経営なので、財務諸表等に表れる数字はもちろん大事です。ですが、数字だけでは、経営的なKPIが見えてきたとしても、実際に製造業の現場で何をするのかを表現するところまでは至らないんです。例えばこんな事例です。
お悩み
他社の倒産等もあり、受注が増加している。今後、どのようにそれを受けて製造し、供給責任を果たしていくのかを得意先とともに考えていかなければいけない。
さて、こんなときに、「過去三年分の財務諸表見せていただけますか?」と言ってみたところで、財務諸表からはせいぜいこんな分析結果が出るだけです。
- 労働生産性(従業員一人当たりの売上高 or 労務費に対する売上高)を上げる
- 固定資産回転率を上げる
- 在庫回転率を上げる
これでは、現場で何をして良いのか分かりません。むしろ、「そんなことは言われなくても分かる。じゃあどうすればいいかを聞いてる!」と怒りを買うことになりかねません。ちなみに、当社はこのように対応しました。
4つの方向性
- 従業員の新たな採用 → 採用の専門家に依頼
- 繁閑差を利用した在庫積み増し → お客様にて生産調整
- 設備の増強 → 設備稼働率をKPIとした改善策の立案
- 外注先の開拓 → 商社を経由した信頼できる取引先の開拓
このうち、③については、IoTによる設備監視と設備稼働率の徹底管理を実施することをプロジェクト化し、設備稼働率向上の目標を掲げて新設備導入による工程集約の検討やロボット導入による段取り作業の自動化の可能性の検討を進めるようにし、そのプロジェクト管理を行いました。
結果的に、3年間で売上20%向上を達成しました。
このように、現場で具体的にどう動いて良いのか、までを明確にし、そして伴走することが製造業の成果につながるコンサルティングだと考えています。
変化に対応する
コンサルタントに相談されているお客様は、必ずしも問題認識が正しくできているとは限りません。むしろ、問題認識がクリアになっていないからこそ悩みます。従って、当初想定していた問題に取り組んでいる際に、実は原因が別にあり、解決するべき課題が変わるときがあります。
例えば、管理職が育たない、管理職の教育が必要だ、という問題や課題だと思っていたら、社長の方針がブレたり、明確に発信していないために、管理職もどのように行動して良いのかが分からずにいた、ということもあります。
そんなときは、当初認識していた問題には意識を置きつつも、新たな課題にも取り組んでいかなければなりません。課題の変化を感じたときに、柔軟に対応してくれるコンサルタントかどうか、当初の認識に固執してしまわないかどうか、この辺りも依頼を継続するか一旦停止するかを判断する基準にされると良いと思います。
おわりに
コンサルタントに依頼する際は、頭の良さだけでなく、コミュニケーション能力も含めて、自社に合ったコンサルタントを選ぶ必要があります。
紹介させていただいた製造業の成果につながるコンサルティングの判断基準を参考にしていただき、ぜひ成果につなげていただきたいと思います。
株式会社GEMBAコンサルティングの事業紹介動画も併せてご確認ください。
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