生産管理を基礎から学ぶ製造業の新入社員研修

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生産管理を基礎から学ぶ製造業の新入社員研修

製造業の研修の様子

この記事は、当社が提供している製造業の新入社員向け生産管理研修に焦点を当てて紹介します。

この研修プログラムは、製造業の新入社員だけでなく、2~5年目の中堅社員の方々にも、生産管理の基礎から体系的に学ぶ機会を提供しています。

さらに、製造業向けのソリューションやサービスを提供する企業の担当者にとっても、製造業に関する深い知識を習得できる内容となっています。

新入社員研修に関するよく聞く企業様のお悩み

製造業の悩み

弊社に新入社員研修のオファーいただく企業様には、新入社員研修に関するお悩みを必ず聞くようにしていますが、お客様から頂く声で多いのは以下の3つです。

・自社のことしか教えられない

・外部講師は年配の方が多い

・生産管理のまとまった本や資料がない

それぞれ一つずつ見ていきます。

自社のことしか教えられない

新入社員の教育は、多くの企業が自社内の管理職や先輩社員の方が講師となって実施していると思います。

もちろん、この方法も間違っているということはなく良い方法と言えるでしょう。

教える側に立ってみて学ぶこともありますので、中堅社員の教育にもなるかもしれません。

しかしながら、多くの先輩社員は自社の経験しかないため、教えることができる内容も無意識に自社のビジネスモデルを前提としたものになりますし、ある意味では偏った角度の経験だけを教えることになってしまいます。

ところが、人事部の方とお話しさせていただくと、新入社員研修で身に着けてほしい知識として以下のようなニーズがあることが分かりました。

「自社のことはこれからも自社で過ごすので学ぶ機会はたくさんあるが、もっと網羅的な製造業の全体感を知ってほしい」

「製造業の全体感を知った上で、自社の立ち位置や自社が選択している管理方式が何なのかを学習してほしい」

こうした人事部のニーズは、昨今でも話題となっているDX(デジタルトランスフォーメーション)やリスキリングも大きく関係してきます。

全体感の概念がない社員からは業務プロセス改革にしてもDXにしても発想の幅が狭く、リスキリングにしても新たなスキルを身に着けるためのモチベーションも上がりにくいと考えられます。

従って、新入社員のときからいきなり自社のビジネスの枠の中に限定して教育するのではなく、全体感の概念を知ってほしいというニーズが生じるのです。

こうしたニーズを背景として、自社以外の全体感を知っている外部の講師への研修の依頼が行われています。

外部講師は年配の方が多い

新入社員研修における生産管理教育で外部講師を依頼しようと検索すると年配の講師が多くヒットします。

年配の講師は、製造業の業務を十分に経験され、知識も経験も専門性の高さも申し分ない方であり学ぶことも多いでしょう。

しかしながら、研修の受講者が新入社員となると話は別です。

講師自身は新入社員との心理的な距離が近いつもりでも、新入社員側から見た講師は超ベテランであり、心理的な距離感はものすごく遠く感じてしまいます。

新入社員の方からは、

「年配の講師の講義はつまらない」

「知らないことや分からないことばかりを話されても全然分からない」

といった辛辣な感想を耳にすることもあります。

全ての年配の講師の方がそうだとは思いませんが、少なくとも、受講者である新入社員に安心感を与えるためには、新入社員と年齢が比較的近い若手の講師であることも大事な要素の一つだと考えられます。

生産管理のまとまった本や資料がない

各企業が新入社員向けに生産管理を基礎から教えたいと考えるとき、一番の問題はこの点にあります。

例えば、新入社員研修で先輩社員に講師をお願いするにしても、本や資料があって予め学習してから研修に臨めば、業務での経験も踏まえてそれなりに講師ができてしまう可能性もあります。

しかしながら、“生産管理”と一言で言っても狭い意味では生産計画や生産実績管理などの業務を指すこともありますし、広い意味では、生産技術や製造業全体の営みのことを表すこともあります。

多くのケースで求められる生産管理研修では広い意味での生産管理の学習が求められており、この広い意味での生産管理を網羅的に学習するための本や資料がないのです。

意外に思えるかもしれませんが、改めて生産管理に関する書籍を調べてみると分かります。

工場の仕組み、在庫管理、生産技術、SCM、など、個別の専門知識に関する本はそれぞれありますが、網羅的にすっきりと適度なボリュームで学べる生産管理に関する書籍は見当たりません。

こうした理由から、入社してから時間が経過した社員が広い意味での生産管理を体系的に学ぶ機会もなく、新入社員に教えることができない、といった悩みがあります。

新入社員向け生産管理研修の内容・メリット・効果

製造業の新入社員研修

それでは、上記のお悩みを踏まえて弊社ではどのような研修を実践しているのか、新入社員向け生産管理研修の特徴およびメリットを紹介します。

尚、弊社の研修は型が決まったパッケージサービスではありません。

事前のすり合わせや職場へのご訪問で、どのような内容にするのか、どのように重み付けするのかを調整させていただき、各企業様にマッチした研修を企画ご提案いたします。

メリット①:製造業の業務全体を網羅的に

狭義の生産管理、広義の生産管理、両方の話をしましたが、当社で行う新入社員向け生産管理研修は講義の生産管理です。

以下は、実際に実施した研修のアジェンダの一例になります。

・製造業とは、工場とは

・労働安全衛生

・生産管理と生産方式

・工場計画

・生産計画と生産統制

・資材・在庫管理

・IE(Industrial Engineering)

・品質管理

・設備管理

・サプライチェーンマネジメント

・設計開発

・IT/IoT/AI

製造業の業務を網羅し、どの部署でどんな業務が行われているのか、それぞれの業務が果たす役割は何なのか、広い視野を持っていただくようにしています。

そして、こうした広い視野を持っていただいた上で、各現場に配属された後の業務の位置づけを理解していただくアプローチです。

配属後の業務に直接関係のない知識の学習も含んでいますが、新入社員の研修としてはむしろこれから行う普段の業務に関わりのない業務を知ってもらうことの方が重要で効果的だと考えています。

上記のアジェンダで行った研修は、5日間(7時間×5日)みっちりと実施している例です。

この内容を網羅的に自社内だけで行う場合、いろんな部署の方に講師をお願いしなくてはいけませんし、先輩社員にも日常の業務があり調整も困難です。

弊社にご依頼いただければ、内容の追加や割愛、日程に合わせたボリューム調整はご希望に合わせることが可能で、日常業務に支障をきたすことがないメリットもありますので、遠慮なくご連絡ください。

メリット②:演習多めで考える時間を確保

研修内の演習

弊社の研修では、新入社員の生産管理研修に限らず、ところどころでテーマを与えて考える時間を多く作るようにしています。

特に新入社員においては、“正解がないことを考えて自分なりの答えを導き出す力”を養ってほしいと考えており、正解のないテーマに対して考えていただき、その考えをグループで共有していただきます。

学生までに教えられる勉強は、いわゆる“正解”があるものが中心で、その正解を回答するのが試験であったりもします。

ところが、社会に出て企業の中で行われていることには唯一の正解はなく、各企業でより良いと思われる改善を繰り返したり、新しいことを始めるときには過去の経験や原理原則の知識をフル活用し、最も良いと思われる方向性を見出していかなくてはなりません。

こうしたとき、自ら考え、考えたことをアウトプットする訓練は必要不可欠になり、弊社のように研修時間内に考える時間をしっかり確保することは、その後の業務においても非常に効果があります。

しばしば、学歴と仕事ができる/できないは関係ない、と言われます。

弊社においても、多くの研修を実施してきた経験から気が付くことがあります。

学生時代に、先生に言われたことをそのままやってきただけの人、大学の卒業研究などでも特に考えることなく決まったことをやっただけの人、などは、講師歴が豊富な弊社から見ればすぐに見抜くことができます。

とはいえ、過ぎてしまった学生時代に戻ることはできません。

弊社としてお手伝いできるのは、企業に入社した後、いかに考える力を養うか、という点になります。

こうしたことも踏まえて、ただ知識を得るためだけの研修ではなく、正解がないことに対して考えて自分でそれらしい正解を導く力をつけていただきたいのが弊社の研修の方針であり、受講いただく企業様にとってはメリットになります。

また、唯一の正解がないものに対して各自で考えたことを発表し合うことで、お互いの思考を尊重し合うことを体験していただけることもメリットです。

こうした考えの下、研修の時間内には考えていただく時間を確保し、その考えたことをアウトプットする機会も設けることは、その後の企業での業務で活かされる効果につながるのです。

メリット③:アカデミックな問題に挑戦

突然ですが、学ぶためには、弊社としては3つの要素が必要と考えています。

・インプット(見る・聞くなど)

・考える

・アウトプット(話す・書くなど)

弊社の研修はこの3つの要素を取り入れるため、受講者にとってのインプットに当たる説明の他、アウトプットに相当するものとして“問題”に挑戦していただいています。

ここで言う“問題”というのはいわゆる試験問題のことで、国家試験などでも出題されるきちんとしたアカデミックな問題を出題しています。

例えば、在庫管理に関して最適な在庫数量を求める問題や、生産計画に関して生産指示の数量を具体的に計算する問題など、実務でも必要とする考え方の学習を補うための問題を取り扱います。

実業務では正解がないことに対して考えることが大事と上述しましたが、それは社会人としての基本としては大事なことではありますが、だからと言って、正解があるものに対する正しい知識を身につけることも置いておけない重要なことです。

これまでの産業の歴史が作り上げてきた生産管理は、暗黙知ではなく体系的にまとまったきちんとしたノウハウです。

知識を正しく身に着けていただくためにも、アカデミックな問題に答えられるレベルの理解は必要になります。

ちなみに、話を聞いていて分かったように頷いている受講者の方でも、問題に挑戦させてみたら全くできない、なんてことはザラにあります。

むしろそのまま見過ごさなくて良かったと気が付いていただき、聞くだけじゃなく問題を解くことで正しい知識を身に着けていただくことができるのが、弊社の研修のメリットであり期待できる確かな効果なのです。

新入社員研修は幅広い知識を確実にインプット

インプット

ここまで、新入社員研修に対して聞かれるお悩みや、弊社の研修の特徴をお伝えしてきました。

研修を外部委託するからには、やはりその成果が気になるところです。

弊社にご相談いただき、事前のすり合わせを通じて研修のカリキュラムを企画し、確かな効果が期待できる設計をすることで失敗の確率を減らすことができます。

自社のビジネス範囲に限らない幅広い知識、確実にインプットしてほしい知識、養ってほしい考える力など、目的に応じた新入社員研修の企画にご協力させていただきます。

昨今で言われているDXをするための人材育成、DXを実現するために必要なリスキリングなど、世の中の風潮も人材育成にかける投資には注目が集まっており、むしろそこの投資ができないと淘汰される世の中になりつつあります。

弊社の研修のコンセプト「インプット・考える・アウトプット」を実践し、未来の主力を育成する第一歩となる人材育成を実現しましょう!

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著者

大原 健佑

出身:長野県長野市 最終学歴:東北大学 工学部 金属工学科 卒
保有資格:中小企業診断士・QMS審査員補/2015 (JRCA登録番号:A22594)(ISO9001審査員資格) ・QC(品質管理)検定1級 ・フォークリフト ・床上操作式クレーン ・玉掛け

ものづくり企業の生産性向上と人財育成を促進する専門家。
「現場が自ら動く!」「現場に任せる!」「業務改善を圧倒的に加速させる!」「技術開発を確実に進める!」をベースに、各ものづくり企業の業務改善プロジェクトに参画し、プロデュースを行っている。