ある日、長野県方面に出張する際、6:30過ぎ頃に町田駅の自動券売機で特急券を発券し、さぁ行こうと思った矢先、50代と思われる女性から声をかけられ、自動券売機での切符の買い方を尋ねられました。
その方が言うには、山梨の方に行きたいのだけれど、どのように切符を買ったらよいかがわからないため教えてほしいとのこと。私も多少は時間がありましたので教えて差し上げました。
そこで気が付いた、自動券売機の扱いにくい部分について感じたままを書きたいと思います。
1.メインメニューがわからない
まず、のっけから躓いているようでした。自動券売機の前に立ち、メインメニューのどのボタンを押せば自分がやりたいことの画面に行くのかがわからないようです。今回の場合、「指定席」のようなボタンを指定しなければなりませんが、この女性がやりたいことは、「甲斐上野」に行くことです。指定席とか特急とかはその次なんです。ですので、この自動券売機が想定しているフローは、行き先を選ぶことではなく、乗りたい電車を選ぶことであって、少し違ったアプローチなんですね。
2.特急の名前がわからない
さて、指定席のボタンを押した後、特急を選択する画面に移ります。そこでは特急の名前を指定しなければなりません。ところが、この方にとっては特急の名前などどうでも良いのです。要するに、甲府(方面)に行くかどうか。そして、甲府から身延線で甲斐上野に行けるかどうかが重要なんです。上述の通り、自動券売機は「どこに行きたいか」ではなく「何に乗りたいか」を聞いてきます。特に、特急の名前で指定させられるのは確かに少し不親切かもしれないなと思いました。電車の名前をみんなが知っているわけではありませんね。
3.指定席が空いていない
最初に指定席を選択させておいて、指定席が空いていないと表示される。これ、結構理不尽かなと思いました。結局自由席で行くとのことでしたが、おそらく新宿発の特急で八王子乗車では座ることはできなかったでしょう。結果は同じかもしれませんが、この自動券売機が想定しているフローは少し不親切なので、どうにか改良できないものかと思いました。
4.乗車券の範囲を別途指定しなければいけない
おそらく、これは慣れた人でないと瞬時には理解しにくいでしょう。私も初めてのときには少し戸惑った記憶があります。乗車駅はどこで、降車駅はどこ、特急区間と乗車区間が異なる場合、改めて入力する必要があります。乗車客にとっては、むしろ一番最初に入力したい部分でもありますが、この自動券売機では最後に入力させられます。最初に、どこからどこ、と入力したら、特急ルートも自動検索してくれて、そのあとに指定席を選ばせるフローになっていれば良いのに、、、と思わざるを得ませんでした。
5.今回の教訓
自動券売機での切符の購入方法を尋ねられた私が最初に聞いた質問は、「どちらまで行かれるのですか?」です。つまり「行き先はどこか」ですが、自動券売機の最初の質問は「何の電車に乗りますか?」であって、行き先はあとに聞かれます。「どの特急に乗るのですか?」という質問は、行き先が決まれば一意に決まりますので、私はこの質問はしていません。ですが、自動券売機では最初に聞かれます。IT技術が進んできたとはいえ、まだまだ誰もが使えるものになっているわけではなく、使える人(自動券売機が使える人)はIT技術に振り回されているだけかもしれないなと思いました。
また、自動券売機等の設備に慣れていない方もたくさんいらっしゃいます。そういった方が券売機の前でまごついていても、イライラすることなく、優しく声掛けできる社会でありたいなと思いました。
余談ですが、そして少しの自慢ですが、私自身、知らない方に声をかけられることが比較的多いんです。平均すると月に1回は声をかけられます。今回のように切符の買い方を聞かれたり、道を聞かれたり、バスの乗り方を聞かれたり。周りにもたくさん人がいて、「何で自分に聞いたんだ?」と思うことは多々あります(笑)
一番びっくりしたのは、初めて訪れたパリを1人で散策していたときに、正味1日の間に3回、外国人観光客に道を聞かれました。花の都パリの街で、なんで明らかにアジア人の自分に声をかけるのか全く分かりませんが、どうやらそういう星の元に生まれてきたようです。
そんな自分を受け入れつつ、引き続き真摯に対応していこうと思うのでした。