DXって何?デラックスじゃないよ!どういうこと?

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DXって何?デラックスじゃないよ!どういうこと?

DXって何?デラックスじゃないよ!どういうこと?

DX

いきなり堅苦しく入ってしまって恐縮ですが、、、

2018年12月、経済産業省は、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進ガイドラインをまとめました。

これは、報告書として公表された『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』を実現していくためのもので、今後の世界における日本の在り方にも関わる国家を挙げて取り組むべき内容でもあります。

とはいえ、ITだ!ICTだ!IoTだ!AIだ!っていう最新テクノロジーの用語がありますが、それに比べてDXとはどんなことを言っているのかをごく簡単に解説し、実際に現場においてはどのように進めていくべきなのか、私の考えを紹介いたします。

“DX”ってけっこういいこと言ってる!

これまで叫ばれていた、IT, ICT, IoT, AIとかっていう言葉と、今回新たに出てきたDXとは、まったく別の次元の言葉です。

具体的には、IT, ICT, IoT, AIは、いずれも現場の課題を解決するための手段を表す言葉です。

一方、DXは、手段ではなく『目的』を表す言葉として理解すると良いでしょう。

いくつかの事例を紹介します。

一番語られやすいのは、【写真】です。

DXに関する3つのステップ
1. デジタイゼイション
2. デジタライゼイション
3. デジタルトランスフォーメーション

に沿って、説明していきます。

【写真】の例

写真のデジタイゼイション

デジタルカメラ

まず第一ステップの『デジタイゼイション』です。

写真に関する最初のデジタル化は、デジタルカメラが登場したことでした。

それまでは、フィルムに撮影し、それを現像する写真が一般的でしたが、それがデジタル化されたことで、写真を何回も取り直すことが可能になりました。

改めて、画期的でしたね!

写真のデジタライゼイション

グローバル

第二のステップ『デジタライゼイション』です。

デジタルカメラが登場し、写真をデジタルデータとして扱うことが可能となりました。

結果として、画像の編集が容易にできるようになったり、画像データの送受信が可能になり、どこでも容易に印刷できるようになりました。

写真のやり取りをするスタイルが大きく変わりましたね!

写真のデジタルトランスフォーメーション

SNS

そして、いよいよ第三のステップ『デジタルトランスフォーメーション(DX)』です。

写真はタブレットやスマホ端末でも容易に撮影できるようになり、それをSNS上にアップするという、いわゆる“個の発信”が可能になりました。

もはや、写真は印刷するものではなく、端末を通じて見るものとしての認識の方が大きいのではないでしょうか。

そして、私たちの生活もそれに伴って大きく変わります。

分厚いアルバム作成なんてしている人の方が少ないです。

各個人がスマホでどんどん画像をアップし、各個人がスマホでどんどん画像情報を得ています。

写真のデジタル化を通じて、私たちの生活が変わったのです。

手段に振り回されるな

さて、一度話を戻します。

近年では、製造現場のICT活用やIoTが叫ばれてきました。

ところがこのICT活用やIoTは、写真の例でいうと、

「デジカメを使いなさい!」
「写真は止めて画像データにしなさい!」
「写真はデータで送りなさい!」

と言っているようなものです。

DXが『目的』に着目していると上述しましたが、写真の例でいえば、

「写真は各個人が端末で扱い、みんなが自由にアップし、みんなが自由に閲覧できる社会を作ろう!」

という実現したい生活スタイルを目的にすることができます。

製造業の現場でいえば、

「各設備のデータを自動で抽出して全てアップし、見たい人が見たいときに見たい形で見れるようにして、生産性向上の活動が、どこからでも創発できるようにしよう!」

みたいなことだと考えています。

これまでは、そのための手段であるIT, ICT, IoT, AIなどに振り回され、

「これ入れて何か意味あるんですか?」

となってしまっていた現場や、

「入れたはいいけど紙運用と並行だからシステム使う手間だけ増えた」

なんていう現場までありました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)を意識した、『どんな働き方を実現したいか』という目的を定めたIT活用をしていきたいものです。

とはいえ課題は現場にある

製造業

いざ、目的を定めてIT導入を進めようとしても、現場には想像もしていなかった“アナログ的”なドロドロした課題があるものです。

「私がやっている業務はあんたなんかにできない!」
「この仕事が自動化されたあとの私の別業務が大変そうで、体調が心配。。」
「あっちが便利になるのはいいけど、何でこっちはそのために仕事のやり方変えないといけないの?」

みたいなことは、現場で平気であります。

また、

「急にタブレットって言われたって、手が汚れる現場だしなぁ」
「機器の設置は横置きじゃなくて縦置きだな!」
「ん?操作が全然分からない。。」

みたいなこともあります。

こういったことが現場で起きていることを知らない人が理想論ばっかり語ったところで、こうした現場の課題を解決できなければ、IT導入は進まないですし、そのコンサルの成果はゼロということになります。

私は、現場の経験者として、こうした現場の課題には目を背けずに向き合い、経営者や現場の推進者とともに、現場の課題を一つずつ解決していけるコンサルタントを目指しています!

おわりに

ただ、現場の課題を解決するためには、外部の力が必要な場面は多々あると考えています。

現場推進者「コンサルがそうしろって言ってて、社長もコンサルの言うことを一度聞けって言ってるからしょうがない」
現場推進者「コンサルが言うには、これができないとウチの会社潰れるらしい」

など、悪者として現場に投入してもらっても結構です。

現場の改革に頭を悩ませたまま何もしないのであれば、さっさと外部の人を投入して嫌われてもらうのは、有効な手段です。

なにしろ、経営者の目的は、現場メンバーを誰一人傷つけずに馴れ合いのまま過ごすことではなく、業績を向上させることなのですから。

企業が目指すDXの姿をともに描き、ともに前進しましょう!!

著者

大原 健佑

出身:長野県長野市 最終学歴:東北大学 工学部 金属工学科 卒
保有資格:中小企業診断士・QMS審査員補/2015 (JRCA登録番号:A22594)(ISO9001審査員資格) ・QC(品質管理)検定1級 ・フォークリフト ・床上操作式クレーン ・玉掛け

ものづくり企業の生産性向上と人財育成を促進する専門家。
「現場が自ら動く!」「現場に任せる!」「業務改善を圧倒的に加速させる!」「技術開発を確実に進める!」をベースに、各ものづくり企業の業務改善プロジェクトに参画し、プロデュースを行っている。