製造業の展示会出展のメリットを徹底解析【中小企業が輝くステージ】

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製造業の展示会出展のメリットを徹底解析【中小企業が輝くステージ】

製造業の展示会メリット

この記事では、製造業の中小企業が展示会出展に出展するメリットを深く掘り下げ、具体的なメリットに焦点を当てて紹介します。

はじめに

まずはじめに、製造業の中小企業が展示会に出展するメリットや、展示会の重要性と中小企業にとっての意義について解説していきます。

製造業の中小企業が展示会に出展するメリットを深く掘り下げる

展示会出展は単なる製品展示の概念を超え、ビジネスの成長と市場での影響力を高めるための戦略的な手法として活用されています。また、自社の技術力の展示や新しい顧客との直接的なコミュニケーションは、営業力の強化や市場ニーズの深い理解にも寄与します。この記事を通じて、製造業の中小企業が展示会出展の機会を最大限に活用し、市場での競争力を強化し、持続可能な成長を遂げるための実践的な知見を得ていただければありがたいです。

展示会の重要性と中小企業にとっての意義

中小企業にとって、展示会はビジネス成長と市場拡大の重要なステージです。特に製造業の分野では、展示会は単に製品を展示する場にとどまらず、顧客と直接対話し、自社の技術や製品の魅力を伝える絶好の機会となります。多くの中小企業が直面するのは、限られたリソース(ヒト・モノ・カネ)と知名度の中で、いかにして市場での存在感を高め、新しい顧客を獲得するかという課題です。展示会は、これらの企業にとって、自社の強みを存分にアピールし、新たなビジネスチャンスを掴むための有効な手段となっていることは想像に難くないはずです。

製造業の中小企業の展示会出展とは?

製造業の展示会

展示会が製造業の中小企業にとってなぜ重要か、その理由と効果を明確にすることで、展示会出展の価値を理解し、自社のビジネス戦略にどのように活用できるかを考えていきます。

展示会出展の基本的な概念

展示会出展とは、製品やサービスを市場に紹介し、新規顧客を獲得するための一つの方法です。ここでは、中小企業が自社の製品や技術を直接見せることができる場を提供し、顧客や他のビジネス関係者と直接コミュニケーションを図ることが可能になります。展示会は、製品を実際に見て触れることができるため、カタログやウェブサイト、あるいはSNSだけでは伝わらない魅力を伝えることができます。また、展示会は自社の製品や技術を広く市場に紹介し、ブランド認知度を高める絶好の機会でもあり、そもそも“展示会に出展している”だけで一つのステータスにもなり得ます。

製造業における展示会の役割

製造業の中小企業にとって、展示会は特に重要な意味を持ちます。多くの中小企業は、大企業のように広告やマーケティングに多額の予算を割けないため、展示会は効率的に自社の製品やサービスをアピールできる場となります。展示会は、自社製品の実力を直接見せることができるだけでなく、顧客の反応をダイレクトに受け取ることができるため、市場のニーズやトレンドを把握し、製品開発やサービス改善のヒントを得ることが可能です。世間では、広告などで目にする大企業の製品や製品の重要部品となっている部品も、実は中小企業が手掛けているということは往々にしてあり、企業の知名度を向上させるチャンスとなります。さらに、出展している他社の製品や戦略を観察することで、自社の製品をどのように差別化し競争力を高めるかのヒントも得られます。

展示会出展の4大メリット

展示会のメリット

製造業の中小企業が展示会に出展することによる主要なメリットが4つあると考えていますので、その4つのメリットについて詳しく説明します。

自社製品のPRの強化

繰り返しになりますが、展示会出展は、製造業の中小企業にとって自社製品のPRを大きく強化する機会です。展示会の場では、自社の製品や技術を直接見せることができ、その特長や利点を具体的に伝えることが可能です。製品の実演や触ってもらうなどの体験を通じて、顧客に製品の価値を直接伝えることができるため、カタログやウェブサイトだけでは伝わりにくい製品の魅力を効果的にアピールできます。また、展示会では特定の製品だけでなく、会社のブランドや企業文化を紹介する機会もあり、長期的な顧客関係の構築に貢献します。

営業スキルの向上

主に現場でものづくりを行っていた技術者にとって、展示会は、営業スキルを向上させる絶好の場です。多くの中小企業では、大半が技術者であり営業活動が得意でないことが多いですが、展示会では直接顧客との対話を通じて、営業の技術と経験を積むことができます。顧客との会話を通じて、製品に対する質問への答え方や、顧客のニーズを把握する方法を学ぶことができ、それをまた現場に返してニーズに応える製品改良/開発につなげます。また、他の出展者との交流を通じて、営業手法やプレゼンテーションスキルを学び、自身の、延いては自社の営業力を全体的に向上させることが可能です。

市場の最新情報の獲得

展示会は、市場の最新情報を獲得するための重要な手段でもあります。展示会では、最新の業界動向、競合他社の製品、新技術などを直接目の当たりにすることができます。これにより、市場のニーズやトレンドを正確に理解し、自社の製品開発や戦略を適切に調整することが可能になります。また、顧客や他の業界関係者からのフィードバックを直接受け取ることで、製品の改善点を見つけたり、新しいビジネスチャンスを探ったりすることもできます。これらの情報は、ただ展示会を見に行っただけでは分からないことも多く、出展している立場として他社の出展状況を見ることによって得られるものであることを理解しておきましょう。

出展者間のネットワーキングと協力関係の構築

展示会は、他の出展者とのネットワーキングの場としても非常に価値があります。同業他社や関連業界の人々との交流は、新しいビジネスのアイデアやパートナーシップの機会を生み出します。共通の関心や課題を持つ企業同士が情報交換を行うことで、相互に有益な協力関係や新たなビジネスチャンスを見つけることができます。このようなネットワーキングは、中小企業がビジネスを拡大し、競争力を高める上で不可欠な要素となります。同じ製造業で、同じ中小企業でがんばっている企業同士だからこそ、密度の高い情報交換ができるのです。

具体的な効果:製造業の中小企業の成功事例

展示会

実際の事例を通じて展示会出展の具体的な効果を紹介します。展示会出展の価値を理解し、自社の戦略立案に役立ててみましょう。

実際の事例を通じて、展示会出展の効果を紹介

A社(とある金属機械加工部品メーカー)は、難削材の展示会に出展したことで、自社の製品および難削材の加工技術を市場に知らしめることに成功しました。A社はとある難削材の加工をする技術を研究開発していましたが、それまでは市場に十分に認識されていなかったのです。展示会出展によって、A社は自社製品の加工デモンストレーションを行い、その独自性や技術力を直接アピールすることができました。結果として、多くの新規顧客との接点を持ち、いくつかの大型契約につながる商談を獲得しました。ここで出展していた製品は自社製品としましたが、実際には立体文字の100mm×100mm×100mm程度のモニュメントで、特に販売しているようなものではありませんでした。しかしながら、こうした試作を繰り返して展示できるものへと磨き上げていったのです。しかも、A社は事業承継を控えており、これらのプロジェクトは後継者が主導で行いました。結果として、現場でものづくりしかしたことがなかった後継者でしたが、他社への自社紹介や自社技術の紹介の機会を得て、営業力を高めることにもつながりました。

また、B社(とある板金加工部品メーカー)は、展示会でのネットワーキングを通じて、重要なビジネスパートナーとの関係を構築しました。B社は展示会において、自社製品のキャンプ用品を開発しました。コンセプトは、レターパックで送れる焚火台で、折りたたむとA4サイズで厚さ2.5mmまで小さくなるインパクトのある製品です。そうした製品を展示する中で、キャンプ好きの同業他社や関連業種の企業経営者との交流を深め、共同プロジェクトや技術提携の機会を見出しました。結果として、キャンプ場での出店ブースに招待されるなどキャンプ用品の販売が増えたのです。このような関係構築は、B社の事業拡大と市場での競争力強化に大きく寄与しました。実際には、自社製品のキャンプ用品はB社の売上全体の0.5%程度です。しかしながら、キャンプ用品をアイキャッチ製品として本業の板金加工部品製造の受注を獲得していき、会社全体の売上増につながりました。

これらの事例から、展示会出展が製造業の中小企業にもたらす効果は明らかで、認知されるためには認知してもらう場に行くことが最も有効なのです。自社製品のPR強化、営業スキルの向上、市場の最新情報の獲得、そして出展者間のネットワーキングと協力関係の構築といった具体的なメリットが、ビジネスの成長と拡大に直接結びついていることがお分かりいただけると思います。

展示会出展の戦略:効果的な出展のために

さて、ここで展示会出展の戦略について詳しく説明します。目的の明確化と計画的なアプローチ、製品の特徴や競争力の強調などの情報を活用することで、中小企業が展示会出展を最大限に活用し、市場での競争力を高めることができると考えています。

目的の明確化と計画的なアプローチ

展示会出展に成功を収めるための最初のステップは、その目的を明確にすることです。中小企業が展示会に出展する主な目的は、新規顧客の獲得、既存顧客との関係強化、競合他社との差別化、ブランド認知度の向上などが考えられます。これらの目的に基づき、どの製品をどのように展示するか、どのようなメッセージを伝えるかなど、具体的なプランを立てる必要があります。また、展示会への参加は、費用面はもとより立ち会う人の時間などリソースを要するため、中長期的な投資対効果を考慮した計画的なアプローチが求められます。

製品の特徴や競争力の強調

製造業の中小企業にとって、展示会は自社製品の特徴や競争力を強調する絶好の機会であることは再三繰り返している通りですが、直接的でないにしても他社製品との比較を通じて、自社製品の独自性や優位性を明確にアピールすることが重要です。例えば、技術的な革新性、コストパフォーマンス、デザイン、ユーザーフレンドリーな操作性など、他社製品には欠けていて自社製品が持っている独自の特徴を前面に出しましょう。また、製品のデモンストレーションや体験型展示を行うことで、来場者に直接製品の価値を体感してもらうことが効果的です。製品の実用例や事例紹介を交えることで、“この製品(技術)をどのような場面でどのように使うのか”製品の実際の利用シーンを想像させ、関心を引きつけることができます。

長期的な視点:展示会出展の持続的な効果

展示会出展が製造業の中小企業にもたらす長期的な効果に焦点を当ててみましょう。展示会出展が短期的な成果だけでなく、むしろ長期的な成長・発展にも重要な役割を果たすことを理解することが重要です。

即時の成果と長期的なビジネス成長への貢献

展示会への出展は、商談などによる即時の成果をもたらすだけでなく、製造業の中小企業にとって長期的な事業成長にも大きく貢献します。短期的な視点から見ると、展示会は新規顧客の獲得や注文の増加といった明確な成果をもたらします。しかしながら、展示会の真の価値は、これらの一時的な利益を超えて、企業の将来の成長と発展に深く関わっているのです。

長期的な視点で考えると、展示会は中小企業が業界内での関係性を築き、ブランドの信頼性を高めるためのプラットフォームとなります。展示会は、顧客やビジネスパートナーとの持続可能な関係を構築する機会を提供します。例えば、定期的に展示会に出展することで、中小企業は自社の存在感を市場に定着させ、長期的な顧客基盤を築くことができます。「あの企業はいつも出展してるな」と認知してもらえることが存在感のアピールにつながるのです。

また、展示会は、中小企業が業界の最新動向や技術進歩を把握する場でもあります。これにより、企業は市場の変化に迅速に対応し、製品やサービスを適切に改善・発展させることが可能になります。長期的な競争力を維持するためには、常に業界のトレンドに敏感であることが重要です。定期的に展示会に出展していると、どのような変化があったのかが分かるようになります。その変化こそがトレンドになるため、そうした潮流を掴み乗っていくことが大切になってきます。

さらに、展示会は中小企業にとって、自社のビジネスモデルや戦略を再評価し、必要に応じて調整する機会を提供してくれます。顧客や他の出展者からのフィードバックを通じて、製品開発やマーケティング戦略の方向性を見直し、より効果的なビジネスアプローチを模索することができます。こうしたPDCAサイクルを重ねていくことが経営の本質でもあります。

まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。製造業の中小企業における展示会出展の総合的なメリットを再確認し、市場での競争力を持ち、成長を遂げるための次のステップについて述べてきました。

展示会出展の総合的なメリットの再確認

製造業の中小企業における展示会出展の重要性とその多岐にわたるメリットを深く掘り下げてきました。展示会は、自社製品のPR強化、営業スキルの向上、市場の最新情報の獲得、そして出展者間のネットワーキングと協力関係の構築など、中小企業が市場で競争力を持ち、成長するための重要な手段です。展示会出展は、ただ製品を展示する場に留まらず、中小企業が自社の技術や製品を直接市場に紹介し、新しいビジネスの扉を開くチャンスでもあるのです。

製造業の中小企業が市場で競争力を持ち、成長を遂げるための次のステップ

製造業の中小企業が市場で持続的な成長を遂げるためには、展示会出展を効果的に活用することが重要です。展示会は、企業の製品やサービスを市場に紹介し、ブランド認知度を高める絶好の機会を提供します。また、展示会を通じて、中小企業は新たな顧客やビジネスパートナーとの関係構築、業界の最新動向の把握、競合他社との情報交換など、多方面での利益を享受できます。

この記事が、中小企業の製造業者の皆さんにとって、展示会出展の様々なメリットを理解し、自社のビジネス戦略にどのように組み込むかを考える一助となれば幸いです。展示会は、多額の広告費をかけることが難しい中小企業にとって非常に強力なツールであり、その活用次第でビジネスの成功に大きく寄与することができます。

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著者

大原 健佑

出身:長野県長野市 最終学歴:東北大学 工学部 金属工学科 卒
保有資格:中小企業診断士・QMS審査員補/2015 (JRCA登録番号:A22594)(ISO9001審査員資格) ・QC(品質管理)検定1級 ・フォークリフト ・床上操作式クレーン ・玉掛け

ものづくり企業の生産性向上と人財育成を促進する専門家。
「現場が自ら動く!」「現場に任せる!」「業務改善を圧倒的に加速させる!」「技術開発を確実に進める!」をベースに、各ものづくり企業の業務改善プロジェクトに参画し、プロデュースを行っている。