まさか、計画がない!?~そんな現場になってしまう4つの病原~

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まさか、計画がない!?~そんな現場になってしまう4つの病原~

ムリ

はじめに

仕事をする上では、

『段取り八分』

とか

『計画8割』

とか言いますよね?

ところが、叫ばれる言葉とは裏腹に、計画がずさんであったり、あるいは計画そのものが「ない」なんてこともしばしばあります。

ここでいう「計画がない」状態とは以下を指します。

・全然ない
・誰かの頭の中にしかない
・誰か一人が持っている

今回は、なぜそんなことになってしまっているのか、その原因について触れていきます。

もしかしたら、

「耳が痛い!」

なんて方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)

逆に言えば、ここで挙げた問題を解決すれば、計画がきちんと作れ、仕事を計画的に進めることができるようになり、行き当たりばったり的な仕事や、突然振り回されるその場対応、なんかと おさらば できます。

ぜひ、ヒントにしてください!

計画がない4つの病原

それでは、計画がない原因との言える4つの病原について、一つずつ見ていきましょう

病原①:過去のやり方が共有されていない

過去

「今までどうやってたの?」
「あの人どうやってたの?」

そんな言葉、職場で聞いたことありませんか?

これ、技術ノウハウ的な内容に限らず、計画の立て方や計画に対する進捗確認の方法など、管理的な仕事についても大いに当てはまるんです。

計画を立てると一言で言っても、

・実施項目を分解するときの考え方
・根回ししておくべき部署や人
・時間感覚
・書き方
etc…

分からないことありますよね?いや、ありましたよね?

そのときには、

「あのときにはどうやったんだっけ?」

すぐに探せて見つけられる状態になっていると分かりやすいものです。

この、

“すぐに探せて見つけられる状態”

というところに【共有化】のポイントがあります。

良くあるのが、

「あるんだけど、それってどこだっけ?」
「この中にあることは分かってるんだけど、見つけるのがちょっと大変」

という状態。

共有フォルダに入れただけでは、本当の意味での【共有化】とは言えませんよね。

生きた仕組みとしての共有化をしましょう!

病原②:上司や先輩が背中を見せていない

背中

病原①:過去のやり方が共有されていない でも触れましたが、実際に計画を立案するプロセスそのものを共有することって、意外とやっていないと思います。

例えば、プロジェクトの計画を立てるとして、まず最初に打ち合わせします。

その打ち合わせでは、計画を作ることが宿題になったりします。

そして、その次の打ち合わせで計画を共有して調整する。(本当は打ち合わせ前に素案を発信しておいてから、意見を持ち寄って打ち合わせすると効率が良いのですが。。。)

ストップ!!

良くあるパターンだと思いますが、計画を作るというタスクについては、誰かが一人で作っちゃったりしていませんか?

実は、この一人でやっている作業、というのが問題で、属人化の始まりなんです。

理想としては、誰か一人、次なる世代のメンバーを捕まえて一緒にやる、ということが大切です。

こういうやり方は、いわゆる昭和の徒弟制度のようですし、作業効率は落ちるので受け入れ難い人もいるのでしょうが、その考えには、私は断固否定します。

一時的な効率を求めて、将来の成長を鈍化させる。

そんな近視眼的な考えでは会社の成長もへったくれもないです。

そこは、管理職や経営陣の強烈なリーダーシップを駆使して実行しましょう!

病原③:外のやり方を学ぶ機会がない

井の中の蛙

さて、計画を立てる、という作業について、仕事上では重要なことであると認識しながらも、自社内のやり方や特定の人のやり方だけを見てしまっていませんか?

重要であると認識したならば、

「他の会社はどうやってるの?」
「より質の高いものにするためにはどうするの?」
「もっといいやり方があるのかも」

なんていう発想に至ってほしいものですが、なかなかそうもいかないのが現状のようです。

他を知る方法としては、

・インターネットで検索する
・本を探す
・コンサルタントに聞いてみる
etc…

が考えられると思いますが、私がメインにお付き合いしていただいているものづくり業界のお客様においては、ITの世界の計画立案を参考にされると良いかと思います。

WBS(Work Breakdown Structure), ガントチャートなど、結果としての書き方については学ぶことが多いです。

直接的にコンサルタントに聞いてみた方が良いかなと思う部分は、タスク分解の部分です。

作業項目に分ける、という作業、一見簡単そうなのですが、実は慣れないと難しいものです。そして、この作業項目がうまく分けられていないと、計画の進捗に大きく影響を及ぼしてしまいます。

慣れないうちは、少しの投資でコンサルタントに相談してみるなど、外部のやり方を知る機会を積極的に作りましょう!

病原④:情報共有の旗振り役がいない

いない

この病原は、ズバリ!管理職の能力不足!といっても過言ではありません。

会議の場で、

管理職A「例のプロジェクトはどうなってる?」
担当A 「順調です」
管理職A「困ったことがあったら言ってくれ」
担当A 「はい」

なんて会話していませんか?

ストップストップ!!

ちょっとだけ分析してみましょう。

問題①:担当者Aは計画と進捗を管理職と共有していますか?
問題②:「順調」って何がどのくらい「順調」なのですか?
問題③:「困ったこと」って例えばどんなことですか?

断言します!

こんなプロジェクトは、後々炎上します!

・間に合わない
・人が足りない
・そんな風になってるなんて聞いてない
・急に人手を出してくれって言われてもムリ
・「なんでもっと早く言わなかったんだ!」
etc…

こんな風景が目に浮かびます。

問題はいろいろあれど、やるべきことは管理職としての情報共有旗振り能力の発揮です。

・メールでも良いので、定期的に計画と進捗を担当者に送付させる
・課内のメンバーには共有の意味でコメントを付けて展開

これだけでもやっておけば、他のメンバーも

「あのプロジェクトはこう進んでるんだ」
「こんな計画の立て方しててこんな管理してるんだ」
「ちょっと遅れ気味だから応援要請来るかも」

なんてことを知ることができるわけです。

管理職は、そのプロジェクトそのものの管理ではなく、プロジェクトを取り囲む環境の整備と情報の共有化を「仕事として」行いましょう!

さいごに

今回は、計画がない、その病原について触れてきました。

計画が(見え)なければ、進捗管理も成果の把握もあったものではありません。

「計画がない」

ということの定義も含めて、今一度社内を見渡して、

「それぞれの仕事の計画はどうなってるんだろう?」

そんなことを振り返るきっかけにしていただければ幸いです。

今後も、業務の効率化のためのノウハウを公開していきます。

乞うご期待!

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著者

大原 健佑

出身:長野県長野市 最終学歴:東北大学 工学部 金属工学科 卒
保有資格:中小企業診断士・QMS審査員補/2015 (JRCA登録番号:A22594)(ISO9001審査員資格) ・QC(品質管理)検定1級 ・フォークリフト ・床上操作式クレーン ・玉掛け

ものづくり企業の生産性向上と人財育成を促進する専門家。
「現場が自ら動く!」「現場に任せる!」「業務改善を圧倒的に加速させる!」「技術開発を確実に進める!」をベースに、各ものづくり企業の業務改善プロジェクトに参画し、プロデュースを行っている。