テレワークの経営面での3つのリスク

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テレワークの経営面での3つのリスク

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これまで、テレワークのメリットなどには触れてきました。

「いいところに目を向けよう!」

とはいえ、テレワークのリスクについても無視するわけにはいきません。

一言で言えば『組織の一体感の欠如』ということになるのかもしれませんが、今回は、そのリスクを3つの視点から見て行こうと思います。

リスク①:コミュニケーションの低下

コミュニケーション

テレワークとなると、直接人と人が合わなくなりますので、当然周りにいたメンバーとの会話の量が減ります。

それまでは、隣の席にいるメンバーや休憩室でたまたま居合わせた人など、気軽に声掛けをしたり雑談なんかを通じながら仕事面での相談に発展することもしばしばあったことが、できなくなってしまいます。

他のメンバーが何を考えているのか、どんな仕事をしているのか、どんな悩みを抱え、どんな課題に立ち向かっているのか、日常業務をただテレワークに切り替えただけだと、こうしたメンバー同士のコミュニケーションの低下はリスクとしてあるでしょう。

メンバーの仕事中の表情、最近あった出来事など、日常の何気ない会話がチーム意識の醸成には利いています。

テレワーク導入の際には、この点を補う方法を考える必要があるでしょう。

リスク②:モチベーションの低下

モチベーション

コミュニケーションともつながるのですが、メンバー同士で会話できなかったり、上司とも気軽に対面で話せなかったりすると、寂しさや孤独を感じてしまうメンバーもいるでしょう。

そうすると、一つの目的に向かってメンバー同士で目的を共有しながら仕事をしていたはずが、チームとしてメンバー同士の繋がりが減ってしまった場合、自分一人だけで頑張ってる感が出てきてしまう人もいます。

「みんなはがんばってるのかなぁ」

結局はそんなちょっとした疑問や不安が、日が経つにつれて蓄積し、モチベーションの低下を招いてしまうのです。

そんなモチベーションの低下は、次のリスクを生み出してしまいます。

リスク③:生産性の低下

生産性

コミュニケーションが減り、モチベーションが低下すると、業務の生産性が低下する。

という三段論法です。

具体的には、

「まぁ誰も見てないしいいか」

という感じで、作業場所が家だったりする場合は特についつい仕事をサボりがちになってしまったり、余計なことが気になったりして集中力が保てずにダラダラと仕事をしてしまったりすることもあるでしょう。

一方で、始業時刻と終業時刻が明確に決まっていない場合などは、長時間労働による残業が増えてしまうといった問題もあります。

通勤のための移動時間も無くなり、仕事ができる時間が増えたり、メリハリがつけにくい生活スタイルになったりしがちなんですね。

おわりに

テレワークには、メリットと同時に経営にもたらす大きなリスクも孕んでいます。

オフィス通勤かテレワークかの2択ではなく、それぞれのメリットやデメリットを十分に把握しつつ、目的に応じてそれらを組み合わせた“新しい働き方”を模索していく必要がありますね。

例えば、

・週2日はオフィス勤務で週3日はテレワークという組み合わせ
・テレワークだけでも十分に可能な業務のみの担当者だけはテレワークをベースにした月2回のオフィス勤務
・業務内容に応じてコアタイムを設けたフレックス制などの時短勤務
etc…

多様な働き方を組み合わせながら、従業員の能力を最大に発揮しつつ、経営の成果に繋げていける働き方を考えたいものです。

著者

大原 健佑

出身:長野県長野市 最終学歴:東北大学 工学部 金属工学科 卒
保有資格:中小企業診断士・QMS審査員補/2015 (JRCA登録番号:A22594)(ISO9001審査員資格) ・QC(品質管理)検定1級 ・フォークリフト ・床上操作式クレーン ・玉掛け

ものづくり企業の生産性向上と人財育成を促進する専門家。
「現場が自ら動く!」「現場に任せる!」「業務改善を圧倒的に加速させる!」「技術開発を確実に進める!」をベースに、各ものづくり企業の業務改善プロジェクトに参画し、プロデュースを行っている。