製造業にとって、最少の工数として行きたい間接業務。業務改善を進めるステップの4番目、ステークホルダーマッピングについて紹介します。
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目次
ステークホルダーとは
“ステークホルダー”とは、日本語に直訳すると「利害関係者」という言葉で表現されます。例えば、業務改善をしようと考えている対象業務の作業担当者や、その担当者の上司、その上司の上司、あるいは、対象業務のアウトプットを渡す後工程の別部署の担当者などが、業務改善を進めようとする際のステークホルダーと言えます。
業務プロセスは必ず繋がっていますので、業務改善をする際には業務のプロセスに沿ってどんなステークホルダーがいるのかを知っておくことは大切です。
その理由は、業務改善対象業務の担当者にとっては作業の効率化ができるような方法だったとしても、後工程の別の部署の担当者にとっては不便になってしまったりすることはありますし、上司にとっては都合の良い新たな方法だったとしても作業者に大きな負担をかけることもありますし、誰にとってどんなメリットや課題があるのかを把握しておくことは、業務改善をスムーズに進める上で重要な要素となるためです。
業務改善におけるステークホルダーの分類①
業務改善のプロジェクトリーダーは、さまざまな関係者の立場を把握し、うまく業務改善プロジェクトを進めていく必要があります。
その際、業務改善を進める際のステークホルダーを把握したら、それぞれのステークホルダーがどんな人なのかを知っておくと、プロジェクトのハンドリングに非常に役立ちます。
そこで、まずは各ステークホルダーがプロジェクトにどのように関係するのかを、影響度×関心度のマトリックスで分類してみましょう。
こちらの図で言えば、役職があるなど影響力があり、業務改善に関して関心度が高いEさんは最重要人物となります。また、影響度が高いものの関心度が低いAさんには、関心があまり高くないことを前提にした丁寧な説明が必要になるでしょう。
影響度も関心度も低いCさんはあまり考慮する必要がないかもしれません。このように、誰に対してどのようなコミュニケーションをとっていけば良いのか知ることができます。
業務改善におけるステークホルダーの分類②
次の分類方法としては、反対なのか、賛成なのか、それとも中立なのか、それぞれのステークホルダーのポジションを把握しましょう。業務改善に限った話ではないですが、これまでにないことをやろうとするとき、少なからず反対する人が出てきます。
これは、その人が改善を理解できないとかそういったことではなく、今の状態から変化することに対して抵抗する、安全な状態を手放したくない人間の本能とも言えることです。
有能/無能などの評価とは異なりますのでご注意ください。
ともかく、業務改善のプロジェクトリーダーは、少なからず存在する反対するステークホルダーに対しても適切にコミュニケーションを図りながら、プロジェクトを進める必要があります。
先ほどの、影響度×関心度の分類に加えて、賛成なのか反対なのかを把握することで、各ステークホルダーに関して以下の3つを整理します。
- どんなことを考えている人なのか
- どんなふうに関わってほしいか
- どんなふうにコミュニケーションを取るのか
これらを明確にすることで、ステークホルダーとのやり取りに関して非常に気持ちが楽になります。
ステークホルダーマッピング
さて、分類①:影響度×関心度、分類②:賛成/反対までを明確にしたら、それぞれのステークホルダーについてもう少し詳細にまとめてみます。
頭の中でイメージするだけでなく、きちんと整理して言語化や明文化をしておくことで、業務改善のプロジェクトを推進するメンバー間でも認識の共有が図れます。
特に、コミュニケーション方法については業務改善プロジェクトのメンバー間でしっかりと認識を合わせておくことが重要です。
業務改善のジャマ者をなくせ
ステークホルダーのマッピングをしてみると、実は業務改善プロジェクトを妨害しているジャマ者がいることもあります。そのジャマ者のタイプは大きく分けて5つに分類できます。
- 腹落ちしてないタイプ
- ネガキャンタイプ
- こっそり告げ口タイプ
- 評論家タイプ
- 我関せずタイプ
それぞれのタイプに対して、丁寧な説明やときには毅然とした対応が必要になりますので、合わせてコミュニケーション方法や対応について考えてみると良いでしょう。
おわりに~目的は業務改善の達成~
業務改善を進める際には、関係者も多かったり、その関係者にもさまざまな立場や背景があります。
プロジェクトリーダーは、そうした状況を把握してまとめつつ、目的とする業務改善を達成しなければなりません。プロジェクトでは、いわゆる“人の問題”が大きく影響することはこの記事をお読みの方には分かると思います。
その人の問題をできるだけうまくコントロールするために、紹介したステークホルダーマッピングによって各関係者とのコミュニケーションをどのように取っていくのかを明確にすることに役立てていただければと思います。
また、各ステークホルダーへのコミュニケーション方法や業務改善の説明方法などにお困りになることもあるかと思います。その際には、客観的視点から説明してもらうことや、嫌われ役になってもらうことなど、ぜひ外部の専門家の活用をご検討ください。目的は業務改善を進めることなのですから!
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